防災士のコラム
防災士の目線で災害について考え、災害に強いLPガス設備について知っていただく
2019年 プロパン・ブタンニュース 新年特大号 災害復旧猛暑で全教室の学校空調特需の背景 かつて公立小中学校普通教室へのエアコン導入が活発化したのは、2010年の猛暑が契機だった。同年10月の全国の普通教室空調設備設置率は、16.0%だったが、3年後の14年4月時点の調査では、32.8%に上昇、さらに3年後の17年4月時点では49.6%となり、全国の約半数の教室に空調機が設置された。それでも、17年4月時点では、全国の学校教室の半数以上がエアコン未設置だった。学校施設の改修や設備導入では、耐震化工事やトイレの様式化などもあり、教室空調は経済的理由もあり優先度を低くしていた自治体もある。 2018年夏は記録的な猛暑となり、7,8月の2か月で約85000人が熱中症で緊急搬送され、153人が死亡した。小中学校を含む教育機関でも5300人以上が緊急搬送され、1人の小学1年生の児童が亡くなる痛ましい事故も発生した。こうしたことから、気象庁は18年の猛暑を災害級と認識した。 今回、エアコン未設置の全教室にエアコンを設置する動きは、7月に菅官房長官が、政府としてエアコン未設置教室への空調機設置を支援する意向を示したことに始まる。その結果、19年度予算を待たず、18年度補正予算で小中学校へのエアコン設置支援822億円が計上された。 前回調査から1年8か月が経過し、この間も教室へのエアコン導入が進んだが、今年の夏までに未設置教室すべてに導入となると大きな特需となる。一方で、競合するEHPの動きも早くて提案活動も活発だ。需要拡大に伴うメーカーの生産体制や施工業者の確保を確実にするためにも、受注に向けた活動を早める必要がある。 【池田商会】
学校空調においては、GHPが圧倒的有利であることは、実はあまり知られていません。 なぜ、EHPの方が多いかについては、正直、ガス屋の営業不足です。 GHPの優位性は大きく2つあります。 ①コスト面 EHPの場合、電気代の大半が契約電力といわれる固定の基本料金と使用料金があります。 契約電力は、30分間の最大使用量で決まり、向こう1年間は固定されます。 しかし、学校は空調を一番稼働させる夏と冬に長期の休みがあり、空調を稼働させる日数は、夏で30日、冬で60~90日程度です。 つまり、年間3~4か月しか使わないにもかかわらず、1年間高い契約電力を支払っていることになります。 【例】 1学年4教室×6学年+特別教室10教室=34教室 1教室60㎡×空調負荷150w/㎡=9kw=3.2馬力/室 全教室冷房能力 112馬力(315kW) 夏30日、冬80日 普通教室12~15時(4時間)、特別教室(1.5時間) 九州電力業務電力A、LPガス350円/㎥ ●EHP電気代2,381,843円 ●GHP電気代238,339円 ガス代952,584円 合計1,190,923円 差額1,190,920円 工事費はあまり変わらないため、設備代で比較します。 EHP 定価約3588万円×査定率40%=1435.2万円 GHP 定価約5642万円×査定率40%=2256.8万円 差額821.6万円 回収年 821.6万円/119.1万円=6.9年 上記は定格出力で計算した場合の単純計算です。 一定温度になれば、出力も落ちますので実際のランニングコストはEHP、GHP共に下がります。 天気や気候、湿度、時間帯などのビッグデータを用いて算出するメーカーのシュミレーションでは、もっと回収年は短くなります。 注目すべきは、光熱費の固定の基本料金と変動の使用料金の比率です。 EHP 固定費:変動費=85:15 GHP 固定費:変動費=15:75 つまり、GHPは使用量をより正確に算出する必要があるということです。 学校の場合は、定格出力で計算しても十分にメリットが出るほど圧倒的にGHP有利ですが、通常の施設の場合は、定格出力で計算するとほとんどコスト面でメリットが出なくなってしまいます。 ②停電しても空調が動く EHPは、停電した場合、当然ながら動きません。 自家発電設備でカバーする場合は200kVA程度の発電機が必要となり数千万の追加投資が必要となります。 GHPの場合、GHP室外機内に発電機能が付いた電源自立型GHPというラインアップがあり、停電しても稼働します。 また、外部の発電機から電力供給を受ける場合は、50kVA程度で良いため、比較的低予算で稼働させることができます。 何よりも学校施設は指定避難所になっているところがほとんどです。 是非、そのような施設にはGHPを導入してもらうことが地域住民のためになると確信しています。 ※以下計算根拠参照 (電気) 普通教室 2.94kW/h×4h×24室=282.24kW 特別教室 2.94kW/h×1.5h×10室=44.1kW 合計 326.34kW/日 最大消費量99.96kW/h 326.34kW/日×80日=26107.2kW/年 業務電力Aの場合 契約電力100kW×力率85%×2008.8円×12か月=2,048,976円 消費電力26107.2kW×12.75円=332,867円 合計 2,381,843円 ●GHP 室外機16馬力×7台 (電気) 普通教室 室内機 0.055kW/h×4h×24室=5.28kW 室外機 1.16kW/h×4h×5台=23.2kW 小計 28.48kW 特別教室 室内機 0.055kW/h×1.5h×10室=0.825kW 室外機 1.16kW/h×1.5h×2室=3.48kW 小計 4.305kW 合計 32.785kW/日 最大消費量 9.99kW/h 32.785kW/日×80日=2622.8kW/年 業務電力Aの場合 契約電力10kW×力率85%×2008.8円×12か月=204,898円 消費電力2622.8kW×12.75円=33,441円 合計 238,339円 (ガス) 普通教室 38.5kW/h×4h×5台=770kW 特別教室 38.5kW/h×1.5h×2台=115.5kW 合計 885.5kW=31.878㎥/日 1kW=約0.036㎥ 31.878㎥/日×80日=2550.24㎥/年 1㎥=350円の場合 基本料金5,000円×12か月=60,000円 従量料金2550.24㎥×350円=892,584円 合計 952,584円 総合計 1,190,923円 コメントの受け付けは終了しました。
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6月 2020
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