防災士のコラム
防災士の目線で災害について考え、災害に強いLPガス設備について知っていただく
GHPフォーラムで発表されたGHP導入事例を紹介します。 ※導入企業名は伏せさせていただきます。 はじめに 今回、GHPを導入していただいた福祉施設S荘のある茨城県取手市は総人口107,671人に対して65歳以上の高齢者は35,748人、高齢者率33.2%と非常に高齢化が進んでおり、自治体の社会福祉の一環として行っている高齢者向けの施設が3施設運営しています。そのすべての施設に大きな浴場や習い事教室ができるスペースがあり高齢者の集いの場となっております。ほかの2施設に関しては、空調及び給湯系統はガス化しており、今回S荘をガス化して取手市のすべての福祉施設をガス化したことになります。 ◆物件概要 施設:市営老人福祉センターS荘 所在地:茨城県取手市 提供企業:東日本ガス株式会社 物件構造:平屋建て 鉄筋コンクリート造り 空調設備:GHP室外機 25馬力×1、20馬力×1(合計空調能力127kW) ◆経緯 S荘は都市ガス供給区域外にあり、38年前の建設段階ではガス化できなかった施設の一つです。エネルギーはすべて灯油で吸収冷温水機とボイラーを使用していました。ある時、取手市の高齢福祉課担当者よりS荘のボイラーの老地区化が進んでいるとの情報をいただき、ご提案の機会を得ることになりました。 ◆お客様の要望 ・ボイラーは電気式(業務用エコキュート)を検討している ・経済性、環境性に優れたものがいい ◆ガスと電気のボイラー比較 ・イニシャルコスト ガス:7,900千円 電気:11,320千円 ガス対電気差▲3,628千円 ・ランニングコスト ガス:1,516千円 電気:1,132千円 ガス対電気差+384千円/年 イニシャル面では効果的ですが、ランニング面では電気が効果的で10年後の総コストですと電気の方が有利となりました。 ◆総合エネルギー提案 ボイラーだけですと業務用エコキュート(電気)が優勢のまま推移していたようですが、ボイラー+GHPの提案をしたことから状況が一変しました。 ◆GHPとEHPの比較 ・イニシャルコスト GHP:25,232千円 EHP:22,186千円 GHP対EHP差+3,046千円 ・ランニングコスト GHP:801千円 EHP:1,381千円 GHP対EHP差▲580千円/年 ・節電効果 GHP:4.49kW EHP:43.8kW GHP対EHP差▲39.31kW/月 ・環境性(CO2排出量) GHP:15.6t EHP:25.4t GHP対EHP差▲9.8t/月 経済面では、5.3年でイニシャルコストを回収することができ、環境性では、9.8tのCO2を削減することができることから空調はGHPに軍配が上がりました。 ◆オールガス(ボイラー+GHP)VSオール電気(エコキュート+EHP) ・イニシャルコスト ガス:33,132千円 電気:33,714千円 ガス対電気差▲582千円 ・ランニングコスト ガス:2,306千円 電気:2,514千円 ガス対電気差▲208千円/年 ◆結論 経済性、環境性においてオールガスに軍配が上がり、ボイラー案件からボイラー+空調を受注したという結果になりました。 【池田商会】
少々強引な提案のような気がしますが、営業マンの熱意で老朽化していた空調のリニューアルまで自治体に検討してもらえた点が今回の一番のポイントだと思いました。 ただし、この提案には重要な真実が伝えられていません。 オールガスよりコストを抑える提案があるということです。 それは、ボイラーは業務用エコキュート(電気)で空調はGHPです。 ◆オールガス(ボイラー+GHP)VSミックス(エコキュート+GHP)比較 ・イニシャルコスト ガス:33,132千円 ミックス:36,552千円 ガス対ミックス差▲3,420千円 ・ランニングコスト ガス:2,306千円 ミックス:1,933千円 ガス対ミックス差+373千円/年 回収期間:9.2年 耐用年数は10~15年ですから、回収できる期間です。 ここからは、経験談に基づく予測です。 オールガスよりもミックスの方がメリットがあっても、オールガスが採用された理由は、ズバリ「イニシャルコスト」ではないかと考えます。 自治体の場合、10年間の総コストも重要ですが、何より直近の予算取りではイニシャルコストが低い方がスムーズに事が進みます。 おそらく取手市のご担当者様もミックスのコストについても把握をされていたと思いますが、追加予算で空調リニューアル案件が入ってきたことからイニシャルコストが高いプランで予算を取りに行くのは得策ではないと判断されたのではないかと思います。 また、コスト削減について親身に考えてくれる業者との付き合いの方が、今後も安心です。 コスト重視でしたらミックスプラン、コスト面、環境性、業者の柔軟性など総合的にはオールガスプランという結果になったのではないかと思います。 弊社も同じような提案ができるよう日々精進してまいります。 コメントの受け付けは終了しました。
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