防災士のコラム
防災士の目線で災害について考え、災害に強いLPガス設備について知っていただく
2019年 プロパン・ブタンニュース 新年特大号 GHP導入は災害対応において効果を発揮する。熊本市は17年から小中学校教室にエアコン設置工事を進め、今年6月にすべての学校への設置が完了した。ほぼすべての学校に都市ガス・LPガスのGHPを導入し、各校に設置したGHPのうち1台を電源自立型GHPにして学習環境を確保するとともに、非常時の電源を確保した。 大分市も18年夏に中学校26校(LPガス16校、都市ガス5校、電気5校)に空調設備を導入。LPガス仕様GHPを導入した学校のうち、市が災害時の防災拠点に指定した6校には1系統に電源自立型GHPを導入し、災害対応バルク貯槽を設置した。この災害拠点6校のうち3校は都市ガス供給エリアにあるが、LPガスの災害対応力が評価されすべてLPガス仕様機となった。 分散型エネルギーのLPガスは、学校敷地内に設置したLPガス容器やバルク貯槽から供給するので、都市ガスや電気のようなネットワーク型エネルギーに比べて供給設備の設置が容易であり、災害などによる供給停止からの復旧が早い。停電時もLPガスを燃料とした非常用発電機と組み合わせれば電源を確保でき空調も可能になる。電源自立型GHPが備えてあれば、空調確保と避難生活や事業活動に必要な最低限の電源を確保することができる。 2018年7月に閣議決定された第5次エネルギー基本計画においても、LPガスは「平時の国民生活、産業活動を支えるとともに、緊急時にも貢献できる分散型のクリーンなガス体のエネルギー源」と規定され、災害時のエネルギー供給においても「最後の砦」としての役割が期待されている。 災害対応の観点からみれば、体育館への空調設備導入も急がれる。体育館には災害発生時に、近隣住民を受け入れ生活を支える避難時としての役割があるからだ。 17年4月時点で、全国には2万9006校の小中学校があり、その95.7%にあたる2万7768校が避難所指定校になっている。ほとんどが避難所指定校であるが、体育館への空調設備設置率はわずか1.2%にすぎない。実際に、18年7月の豪雨災害やそのあとの台風災害でも学校体育館が設置されていないため、急いで工場から製品を運び出したそうだ。その際、豪雨で道路が寸断されていたため陸路で運搬できず、自衛隊のヘリコプターを好かって運んだという。災害はいつ発生するかわからない。逆に言えばいつどこでも発生する。避難所となる体育館には、空調設備を常設する必要がある。 大阪・箕面市は18年、市内の小中学校全20校の体育館に、LPガス仕様GHPを導入した。16年度第2次補正予算による公金事業で特別教室へのエアコン導入が採択され、緊急防災・減災事業債が拡充されたことを受け、体育館にもエアコンを導入した。箕面市は全域が都市ガス供給エリアであるが、LPガスの災害対応力、保安や供給体制、コスト面を高く評価し、設計段階から都市ガスを計画に入れず、EHPとの競合でLPガスGHPと発電機の採用が決まった。 LPガス業界では以前から、都道府県LPガス協会が中心となって自治体に対してLPガスの常設を求める活動を進めてきた。この活動を基礎に体育館へのLPガスGHP導入提案をすることが重要であり、すでに教室にエアコンが設置されている地域については、今から積極的に体育館へのエアコン導入提案を進める必要がある。箕面市の事例が示す通り、体育館エアコンの主役はレジリエンス性が高いLPガスGHPであることを認識し、都市ガス供給エリアの学校体育館に対しても果敢に提案することが望まれる。 【池田商会】
当社の近隣の市営体育館はEHPを導入していますが、デマンドを超えないように細心の注意を払う必要があるため、管理が大変だという話を伺ったことがあります。 実際、18年度のLPガス協会の展示会でその体育館をお借りした際、水銀灯は半分しかつけないで下さいと言われました。 GHPの場合、消費電力はEHPの10分の1、発電機内蔵GHPの場合は100分の1で済むため、デマンドのピークカットに大きく貢献します。 学校施設が空調を使うタイミングは、全校集会や気温35度以上の猛暑日、気温5度以下の真冬日、災害時ですから、年間30~60日です。 EHPの場合は、使用していない月も高額な基本料金を支払う必要があります。 GHPの場合は、使った分だけ支払えばよいため、非常に経済的です。 イニシャルコストはEHP有利ですが、ランニングコストですぐに回収できますので、体育館は圧倒的にGHPが有利だといえます。 また、災害時に長時間の停電が起こった場合でも、電源自立型GHPあるいはLPガス発電機を併設していれば、空調だけでなく電灯やコンセントも使用できるため、スマホが充電できたり、復旧作業が円滑に進んだり、灯りのおかげで恐怖を緩和することができます。 現在、公共体育館の空調導入の設計協力を行っていますが、GHPはEHPと比べて年間80万円ほど光熱費の削減ができます。 定価で400万の差がありますが、5年で回収できます。 購入金額が定価の50%だとすると、2.5年で回収できる計算になります。 この事実をご存じではない方にぜひ知っていただきたいです。 コメントの受け付けは終了しました。
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